エラスムス彗星を撮る(2020年11月26日早朝)

前回につづいて天文ネタですが、これも寄り道ということでお付き合いのほどを。

『エラスムス彗星が予想外の大増光』のニュースに、触角がピクリ。

というのも、今年7月にネオワイズ彗星が明るくなると期待され、実際そうなったのですが、梅雨空に阻まれて全国的に姿を見ることができなかったのです。寄り亀も数回トライしましたが、お目にかかれたのはピークをかなり過ぎてからで、そのショボい姿にとても悔しい思いをしました。ピークの頃に撮影された写真は『これぞ彗星!』と言わんばかりの見事な姿だったのです。

そのリベンジになる訳で、翌日から天気が下り坂と聞けば、自ずと腰も軽くなろうと言うもの。ホコリを被っていた機材を引っ張り出して仮組みし、足りないものがないか確認します。準備完了!

出発前に空を見ると、ちょっと雲が気になります。が、目的地の方角は雲が切れているので、運を天に任せいざ出撃!

目的地の天候は良好!火球と流星痕も見れて、今日はツイている?

彗星は夜明け前の東天に上ってくるので、今回陣取ったポイントは東が開けたロケーション。ただ、立山連峰のため極低空は見えない点が小さなハンディです。

彗星はちょうど金星と同じくらいの高度なので、金星が昇ってくれば容易に見つかると思いきや、なかなか見つからず少し焦りましたが、思ったより南側に発見し、ようやく撮影できました。

富士フイルムX-T30 キヤノンEF100mmF2.8L is MACRO F2.8開放 iso3200 10s JPEG取って出し 真ん中の緑がかった星がエラスムス彗星
中央部等倍切り出し 辛うじて尾があるのがわかります

事前情報から予想してはいましたが、小さいですね。それだけ遠いということなのでしょう。

次は、光学系はそのままでRAW撮り&コンポジット合成した画像です。

富士フイルムX-T30 キヤノンEF100mmF2.8L is MACRO F2.8開放 iso640 40s RAW 5枚コンポジット合成
中央部等倍切り出し

それなりに画像処理して炙り出すと、結構ちゃんとした尾があるのがわかりますね。

なお、冒頭の画像は焦点距離415mmの望遠鏡(BORG101ED+7704レデューサー)に同じカメラを付けて撮影したもので、同じくRAW撮り・5枚コンポジット合成です。画質は兎も角、とりあえず記録が残せたので良しとします。以降、太陽に近づいて見づらくなるそうなので。

☆☆☆

ところで、寄り亀は富山県在住ですが、星や虫などの趣味を生活に織り込むことができています。これは自然がすぐ近くにあるからこそで、大都市圏に住んでいた頃には叶わなかったことです。

勿論、月や惑星など都会でも楽しめる天体はありますし、ライブコンポジットなどカメラの進化により以前は撮れなかったものが撮れるようになり、楽しみ方のバリエーションは増えています。

ですが、天の川や彗星など暗いものが多い天体はほぼ絶望的です。これらを求めると、半日を移動に割いて遠征しなければなりません。残していく家族への配慮も必要でしょう。

遠征は天候に恵まれなかったときに精神的ダメージが大きく、それが原因で寄り亀も星から遠ざかっていた時期がありました。でもそんな時に限って、双子座流星群が活発だったり百武彗星のような大彗星が出現したりするんですよねぇ。

おっと脱線しました。話を戻しましょう。

例えば、急に天気が回復して空が澄んだ夜、今の環境なら30~40分で冬の天の川が見えるポイントに到着できるので、躊躇なく行動に移せます。時間の使い方を工夫すれば平日でも十分活動が可能なので、チャンスをみすみす逃さずに済むのです。これは、曜日を考慮してくれない天体イベントにはうってつけです。

曇ったときもすぐ帰宅でき、またいつでも行けるため、精神的ダメージは小さいか殆どありません。

平日にも活動できチャンスを逃さない。週末に活動しても家族との時間を犠牲にせずに済む。結果、趣味への理解も得やすいと推察しますが、如何でしょうか?

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