カブトムシの複眼を撮る

レンズ

昆虫の眼が動物と異なる仕組みであることはご存じかと思います。その昆虫の眼には単眼と複眼の2種類があり、単眼がひとつのレンズで構成される眼であるのに対し、複眼は複数のレンズで構成されています。いや、複数の眼が集まってできている、という方が正しいでしょうか。

トンボのように眼の大きな種だと、肉眼でもそれが判別できます。しかし、カブトムシはそのサイズの割に眼が小さく、また眼が黒いため、肉眼では複眼に見えず実は違うのでは?という疑問が湧きます。

そこで、確かめてみることにしました。

先ずは手持ちの等倍マクロレンズで迫ってみます。

X-T30 Vivitar 100mm F2.8 MACRO 絞り不明(多分F8) つぶらな瞳、といったところですね
等倍切り出し

最短撮影距離までは寄っていませんが、複眼に解像する気配は全く見られず。等倍程度では無理か?

ということで、何かないかと探したところ、こんなモノが出てきました。

ビクセンの5倍ルーペ フィルムカメラ時代の製品で、標準レンズにネジ込んで使うためのものです
先端にスケールのついたアクリル筒付きで、カメラで覗くとこんな感じ
外したレンズ部のみ(左側)を使います

これをマクロレンズに装着して倍率アップを図ります。等倍マクロレンズ+5倍ルーペ=5倍マクロになるのか??

フィルターネジ径もΦ52mmでピッタリ

さぁ、再チャレンジ!

とは言ったものの、相手は生きた昆虫。比較的おとなしい個体を選んだものの、こちらの都合通りじっとしていてくれる訳もなく・・・

この拡大率では虫がちょっと動いただけでも眼はフレームアウトしてしまい、何度もやり直し(泣)

おまけにこの拡大率で光量が足りない上にピントは極薄なので、当然深く絞り込むため露出は秒単位となり、成功率は悲惨なものに・・・

そして、最もまともに写ったコマがこちら。

拡大率が高すぎてどこを撮っているのか分かりづらいですが、左が前です カメラはE-M5markⅡ
等倍切り出し

ということで、ようやく複眼であることを確認できました!

でもなんだかスッキリしないのは、つぶらな瞳が実はイメージセンサーでした、みたいな騙されたような感じがするから、でしょうか?

最後に、冒頭の画像の個体ですが、ツノも立派でとても男前なのですが、ちょっと残念だったのが

採寸ミスで生地が少し足りなかったようで、後ろ姿はまるで下着が見えているようだったことです。

それとも、これはもしかしてカブトムシ流のローライズ?

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