ミノルタ・AF85mmF1.4G(D)Limited

レンズ

今回紹介するレンズは、700本のみ限定生産されたレアモノです。限定品というと外観をちょっと変えただけ、という物も少なくありませんが、このレンズは光学系そのものがベースモデルと異なるため、名前が似ていても中身は全くの別物です。

寄り亀はミノルタには特別な思い入れがあります。確か寄り亀が中学生の頃に父が買ってきたミノルタXDを、独占して事実上私物化しフィルムカメラ時代はずっと愛用してきました。

友人の持つキヤノンA-1やペンタMEと比較して、フィルム巻き上げの感触やシャッター音、ブラックアウトの短さやファインダー像復帰のキレの良さ、手になじむ端正なフォルムなどから、巷の評価はともかく明らかに格上の機体だと中学生なりに思い、こっそり優越感に浸っていたものです。

昨今のデジカメと違ってボディで画質が変わらないため買い替える動機がなく、AF一眼レフに乗り換えるまでの約15年、寄り亀はXDとともに青春時代を過ごしたのでした。

その後、AF一眼レフはキヤノンEOSと白いズームを選択しましたが、ミノルタへの想いは忘れられず、いつしか空白の期間を埋めるかのようにαシリーズの中古を集め出しました。結局、使用頻度が上がらずその多くは手放してしまったのですが、特に思い入れのある機材だけは手元に残しました。今回のレンズもそのひとつです。

ちょっと脱線しました。話を元に戻しましょう。

このレンズはα-7(フィルムカメラの方)が世界三大カメラ賞を受賞し、その記念に発売されたα-7 Limitedとセットで企画されたものだったと記憶しています。某カメラ店が展示品を放出したのを目が発見してしまい、脳が思考を開始する前に指が勝手にポチっていました。

しかし入手した時期がデジイチ黎明期でαデジタルにはまだフルサイズがなく(あっても買えない)、フィルムカメラを稼働させることもほとんど無くなっていたため、α900を中古で入手するまでの間はほぼ防湿庫の肥やしとなります。

念願かなってフルサイズαを入手したのも束の間、Eマウントフルサイズ・α7が発売となるに至り、稼働率が低くシステム末期のフルサイズボディは価値が下がる前にドナドナして、α7中古の値下がりを待つこととしました(第二次「防湿庫の肥やし」期)。

そして待つこと数年。決して十分安値になったとは言えないものの、値落ちしにくいだろうという勝手な思い込みでα7S中古美品とマウントアダプターを購入し、ここにαレンズの戦線復帰を高らかに宣言したのでした(心の中で)。

でもやっぱりフルサイズはセットだと重い(思い入れのあるレンズはみな単焦点なので尚更)ので、結局出番はあまりないんですよねぇ。

おっと!また脱線してしまいました。ではカメラに付けたときのルックスをチェックしましょう。

純正の組み合わせなので安定感があります。
大きく見えますが、重さはそれほどでもありま・・・す。。

ちなみに、寄り亀は基本的に保護フィルターは付けない派ですが、このレンズだけは付けています。万が一壊した場合、再度入手することが経済的にまず不可能なこともありますが、歴史的な資産は個人の財産と言えども同時に社会的な財産でもあり、所有者にはそれを保全する責任が生じる、と考えるからです。なーんちゃって。

では、作例にまいりましょう。

F1.4開放 1/8000s ISO 100 露出オーバーですがご容赦(ISO50まで拡張できることを忘れてました)
F2.8
F2.8 最短撮影距離あたり

・・・

ボケが美しい事に関しては評判通りと言ったところでしょうか。寄り亀レベルでは文句の付けようがありません。STFを除けば最高のボケ味であることは間違いないと思われます。以前はAF85mmF1.4Gも所有していましたが同時に持ち出すことはなかったので、違いがわからないことが今となっては少し残念です。

なお、縮小画像なのでわかりにくいかもしれませんが、F1.4の作例で白トビしている花びらの周りにパープルフリンジが出ています。フィルム時代の設計なので、現代の最新レンズに比べると出易いように感じますが、これは本レンズに限ったことではないでしょう。

今回はできませんでしたが、点光源のボケを見てみたいので、そのうち作例を追加したいと思います。