近年、中華製部品の品質向上に伴い、アルカスイス互換の関連部材も実用性が高くなりました。かくいう寄り亀も古い三脚に中華製のアルカスイス互換クイックリリースクランプを付けて運用しています。クランプやプレートを追加するのでその分重くなるものの、やはり便利で、使い始めると手放せません。
ただ、ここのところの新型コロナウィルス騒ぎで、中華製アイテムにはちょっと手を出しづらくなりましたね。というか、もはや中華製に限ったことではなくなりましたが。
さて、アルカスイスの利便性の良さは今さら説明の必要もないと思いますが、寄り亀のように従来の雲台にクイックリリースクランプを付けて運用する場合、注意すべきポイントがあります。
何だかわかりますか?
それは、雲台に固定するためのネジ部、つまりクイックリリースクランプ底面の雌ネジです。
クイックリリースクランプはほとんどの場合、クランプ底面にUNC3/8インチ(カメラネジ大)の雌ネジが切られており、これにUNC1/4インチ(カメラネジ小)用のアタッチメントが付属しています。どちらのネジにも対応できるので、一見合理的ですよね?
ですが、ここに落とし穴があり、特に中華製の場合、このアタッチメントの強度が足りないことが多いのです。
このため、クイックリリースクランプを雲台にしっかり固定しようとちょっと強くネジ込むと、スッと手ごたえが抜け、もしや?と思い外してみると案の定アタッチメントが破損していた、ということが起こります。その時に気付けばまだいいのですが、アタッチメントの塑性変形に気付かず運用してしまった場合、何かの拍子に機材がクランプごと落下、なんてことがないとも限りません。
しっかりした雲台を使っていれば、すなわち運用する機材が重ければ、クイックリリースクランプもしっかりネジ込みたくなるのが人情です。しかし、それをするなら最低でも日本製のステンレス製もしくは真鍮製のアタッチメントを使いましょう。数百円をケチって高価な機材を危険に晒すことになってしまっては本末転倒です。
或いは、クランプの底面の雌ネジがUNC1/4インチになっていてアタッチメントが不要な製品もあり、寄り亀的にはこちらをオススメします。ただ、種類は少ないです。
以上のような手を打ったとしても、リスクがなくなる訳ではありません。運用時も、クランプの取り付け(回転)方向に荷重が掛かればクランプが緩んだりアタッチメントに負担が掛かる原因になるので、前後の重量バランスにも配慮が必要です。